2011年11月24日

幸せの国 ブータン

NHKワールドを見て、オウム事件を妹と弟に説明しました。「どうして?」と聞かれてたけど、答えられず・・・。死刑の前になぜ事件を起こしたのか、どうしてオウムに入ったのか、その理由をちゃんと教えて欲しいです。洗脳されていたから…では、済まない問題です。日本の社会を作る一員として、そして被害者への償いのためにも知りたい!
ブータン国王は経由先のタイで美人首相にお見舞いを伝えていました。ぬかりないですね。日本はプチブータンブームで、水をさすつもりはないけど、ここのところ感じていることをいくつか…。ブータンが「幸せの国」であることの元になっていることとして大いに「チベット」が関係していると思っています。ブータンはかつてチベットと戦争をし、民族的にはチベット族の流れがたくさんいます。同じチベット仏教国で、ブータンと比べて巨大なチベットが、中国に侵略され、民族も文化も、そして宗教も踏みにじられ、中国によりジェノサイドをされつつあると感じます。チベットだけではなく、シッキム国もインドに吸収され、第3代国王妃はシッキム王家の流れで、ルーツが無くなり、ブータンの行く末を危惧した第3代国王、及び第4代国王は、小国ブータンが亡国にならないよう、あらゆる方法でブータンを世界に知らしめ、防御してきたのだと想像します。民族衣装を着ることで文化を守り、民族意識を高め、また、外国からの侵入者を防げます。民族衣装の着用は国を守ることに通じます。GNHという指針は行き詰った観のある経済優先の先進国にセンセーショナルなアピールです。GNHがあって幸せなのではなく、幸せでない部分があるからこそ、また、幸せを守り続けるためにもGNHが必要な訳です。公用語として母国語以外に英語を取り入れ、海外とのコミュニケーションが容易にし、小国は海外や国連の力が絶対に必要です。教育に英語を取り入れた目的は国際人になるためだけではないと思います。今回の国王夫妻の訪日は計算通りの大成功ですね。評判になったスピーチも国王自身で作る訳はありませんが、だからといって嘘を言ってはいません。この国は賢きリーダーがいっぱいいます。これらを導いているのはやはり先代の第4代国王でしょうね。日本人が知ったらビックリする程、多額な支援を日本はブータンにしています。だからといって、来日した国王は日本にヘイコラするのではなく、褒め殺しかと思えるほど日本の良さを教えてくれ、日本はそんな国だったのかと思い出させてくれました。とても丁寧な口調でしたが強調していたのは「対等な」関係です。支援を望むのではなく、対等な友好関係をアピールしていました。こういったところがブータン人はすごいと思います。誇り高き民族で、良い意味でプライドが高いんですね。
現実のブータンは幸せだけではもちろんなく、大きな問題としてはあげられるのは、多くの若者が仕事につけず、そんな中で悪さ(飲酒・ドラッグなど)をしたりします。ブータンではお酒の問題も大きくあり、お酒が暴力に繋がっているため、酒税の値上げが議論されています。他にはニュースで目にするのがレイプで、結構頻度は多いですね。ただ、これらの問題は日本に比べ、人口比もありますが、たわいもないレベルでしょう。日本で頻繁に起こる信じられないような異質な事件はありません(通り魔とか、子どもを殺すとか)。被害があった人には申し訳ないけど、単純な事件ばかりです。ブータン人は自国の置かれた立場を知るよしもありません。既に2割近くを中国にここ数年で取られているそうです、同じチベット仏教徒であるチベット人たちが現在進行形で、ひどい状況下にあることも知りません。ブータン国王は日本に国賓として招かれ、多くの報道がありましたが、ダライ・ラマ法王もチベットの皇ですので、国賓であったら、どれほど救われる人がいるのかと思うと残念ですね。ブータン人は第4代国王が優しく、多くのチベット難民を受け入れていると誇りに思っていますが、チベットの現実を知らないのです。就職難で将来に不安を抱え、ドラッグで遊ぶ若者は、もっと外に目をやるといいですね。自分達がどれだけ幸せなのか知らず、自分のことだけしか考えない若者たちは、仏教の教えにも反すると思います。せっかく英語が話せても、外国で不法就労するためのに英語教育を取り入れたのではないと思います。自分達のことだけを考えてるのでは、ブータンは発展しません。かつての豪族は不動産により更にリッチになり、ラッキーなことに海外に行けた人は、ビザが切れてもオーバーステイして稼ぎ、ブータンにビルを建てています。国営銀行なので海外送金により、不法就労を国も把握していますが、国にお金が入るのは良いことなので黙認しています。仏教が尊ばれ、絶対的な権威を持っていますが、形を重視するだけではなく、若者の悩みや現代の問題にも、仏教者がもっと近づいてくれるとより良いと思います。国が仏教に力を注いでいるのは、簡単にやられてしまう国であるからこそ、仏の力を借り、祈る必要があるからですね。国が王政で安定する近年まで、ブータンは戦いが続き、多くの血を流しました。殺生が最大悪の仏教だからこそ、王家の祖先がしてきた殺生のためにも、仏教に力を入れているのも確かでしょう。
ダラダラ書きましたが、幸せの国も色んな背景があり、知恵と力のある賢きリーダーがいたから、小国ブータンは有名になり、「幸せの国」と言われる今があるんですね。なんだかんだ言っても、この国が正しく・幸せであることは「仏教」というバックボーンなしに語れないと思っています。
(写真:この時期は野鳥マニアの朝が忙しいです)

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