2009年7月7日

仏像が泣く

昨日はダライ・ラマ法王のお誕生日でした。偶然にもチベットと同じような立場にある新疆ウィグル地区でデモがあって140人死者がでたそうです。報道で140人ってことは、きっと倍は殺されているでしょう。どうして中国首脳は普通な人ぶって、民族虐殺や浄化ができるのでしょうか。もう、そんなのヒットラーの時代で終わらせて欲しいのに、この現在もヒットラー以上の虐殺を密かに行っている中国をどれだけの人が意識しているのでしょうか。

先日、米国下院で「在チベット領事館設立法案」が可決され、上院外交委員会で諮られることになっています。これは米国のチベット政策を推進し、チベット内部のチベット人を支援する広範囲にわたるプログラムへの財政的支援を認可する法案です。既存の2002年チベット政策法にいくつかの改善を加え、米国政府に対し、あらゆる努力をもって他の政府と協調し、チベット問題について交渉による合意に達するために、チベット―中国間の対話を促すよう指示するものです。この法案はさらに米国政府に対し、中国政府と接触する全ての執行機関が米国のチベット政策に協調していることを、国家安全保障会議を通じて確認するよう指示しています。法案はさらに政府に対し、米国領事館をチベットの首都ラサに設置するよう努力することを指示しています。法案は、ラサの米国領事館は「チベットを旅行する米国市民へサービスを提供し、青海、四川、甘粛、雲南省のチベット人居住区を含むチベットの政治的、経済的、文化的発展を監視する」ものとしていて、この法案が議会で正式に提出された際、中国は怒りの反応を示し、米国の内政干渉であると非難しています。なかでも中国の怒りを買ったのが、米国の外交法案がチベット人に対する奨学金や研究補助金の制度を認可し、予算をチベット文化と歴史の保護や、チベットの経済発展、環境保護、教育、医療サービスに充てていることで、法案はまた、中国に対し、チベット仏教における転生のシステムなどのチベット人の宗教的問題への「あらゆる干渉」をやめるよう求めています。こういった法案は日本ではありえないでしょうね。日本の政治家は自分のことを守るので必死でしょうし…。

先日、福岡で終了した「聖地チベット展」はこの秋に上野の森美術館で開催されます。これって、なんと全て中国政府の侵略により、チベットから盗まれた美術品の展覧会なんですよ。まぁひどい。そんな中国政府のプロパガンダと知らずに日本人は足を運んでいます。「聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝」と銘打ちながら、主催者の中には完璧に反ダライラマ法王の声明を出している団体もあります。この展覧会は山ほどの問題を抱えています。中国政府がチベット文化の組織的破壊をしているというのに、この展覧会を利用してチベット文化を保護しているという見せかけのイメージを世界に伝えようとしています。もう、けしからんです。サイトを見ると展示される作品自体は本当にスゴイです。こんなにすごい物を作り出すチベット文化を抹消しようとしておきながら、チベット人から奪い、略奪した宝を自分たちのプロパガンダや金のために使おうとしているこの動き。仏像や仏画があまりに美しいだけに、なんだが制作した人の気持ちやこれまでの背景を想像すると、涙がこぼれます。この展覧会に展示される内容は逸品でしょうが、主催者たちも中国政府に騙されてしまって気の毒なくらいですが、チベット人の魂を盗んだ、けしからん展覧会であることを断固アピールしていく必要がありますね。このブログをご覧いただいている皆さんも、同じように真実を知って、まわりにも伝えてもらうようにご協力お願いします。

(写真:乗っ取られたポタラ宮殿。本当はダライ・ラマ法王の住まいなのに・・・)

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