2009年7月21日

略奪した宝で展覧会をする無神経さ

これまでにチベットに関して色々と書いてきたので、もう皆さんもチベットサポーターになっていることでしょう(そう願いたい)。前に少し書きましたが、この9月から上野の森美術館で「聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝」展が始ります。この展覧会に抗議するキャンペーンの重要性をSFT NYのテンドル氏が語る映像が届きました。

いま一度、この展覧会の何が問題なのか整理しますね。よ~くお読みください。

すでに開催された九州博物館での「聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝」 展には、14万人が来場しています。この展覧会は世界で行われ、9月に東京・上野のほか、北海道立近代美術館・大阪歴史博物館・仙台市博物館などの公の場で、今後も展開されていきます。これまでにこの展覧会はチベット人やチベット支援者が抗議をしてきました。そして、現在もなお続くチベット僧への弾圧・拷問・死刑宣告がされるの最中、日本全国でこの展覧会は行われます。

中国政府は「自分たちはチベット文化を保護している、そしてチベット支配は善意あるもの」ということをこの展覧会と通じ、世界に宣伝しようとしています。あまりの美しい美術品を見れたことに感謝してしまうこともあるかもしれません。それほどまでにチベット文化は美しいものです。ただ、ここで考えなければいけないことは、彼らはこの素晴らしいチベット文化を破壊し、それまでの宝を奪い、人間の尊厳さえも無視し、チベット人の浄化をし続けているのです。この展覧会が中国政府のプロパガンダであることは断言できますね。

展覧会のタイトルにある「ポタラ宮」は、ダライ・ラマ法王の住居でした。それを中国人民解放軍は侵略しましたが、この展覧会には、そんな説明はないそうです。そして、チベット文化の代表とも言える法王が亡命されたことや、今もなお、チベット人が中国の支配下で弾圧を受けていることには、一切触れられていません。こんないい加減な展覧会を、公の美術館・博物館で開催し、日本側の主催者も真実を知らされぬまま、主催者として名を連ねることになり、見事に日本はだまされ、馬鹿にされている訳なんですね。

このようなことを知れば、かえって実際の展覧会を見てみたい、という心境になる方もいるでしょう。私はそれを止めはしません。けれど、この展示会の背景について、ぜひ考えていただきたいと思います。ダライ・ラマ法王でさえ、もう50年以上、展示される仏像を見ていないのです。

日本人は仏像好きな人が多いですね。美術館めぐりも人気があります。私たちはこの展覧会を見た方々に、真実を知って、いまいちどこの展覧会を通じ、中国政府がどんなことをしているのかを考えていただければと思います。よろしければ、この展覧会に対する抗議の声を一緒にあげてください。上野の森美術館の館長宛てに、真実を知ってもらうための手紙を送るキャンペーンをしています。ぜひ、皆さんもご協力くださいね!

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