2009年6月20日

諦めとはあきらかに観ること

この国に長くいる方や仕事としてブータンに関わっている方など、日本人の方のお話を伺うと面白い共通点があります。“仕方がない、ブータン人なので・・・”という諦めと落胆が入り混じった感情です。私のように夫にブータン人を持てば、旦那の母国なので…という思いでブータンを観ますが、お仕事やご主人の赴任によるブータン滞在であえば、ハッキリ言ってブータンでの生活は過酷なものでしょう。日本人が大丈夫と思う範囲とブータン人の範囲は大幅に違います。そもそもの価値観が大きく違っているので無理もありません。でも日本人に共通する価値観もあります。仏教の教えからと思われる慈しみの心です。日本人が忘れかけているものをブータン人は持っています。それを懐かしく恋しくなって、ブータンを旅すると皆な虜になってしまいます。人をもてなす心はとても感じます。これが仕事となるとブータンでは全くなくなってしまいます。日本人は仕事では、もてなしの心を持とうとしますが逆にプライベートではなくなりつつありますね。仕事はお金に直結する面もあるでしょう。けど、それだけではなく仕事の中に自分の生きがいを見出しているからだと思います。気づいていないかもしれないけど、日本人は仕事を愛する民族だと思います。ブータン人は子どものことを大勢で世話します。みんな子どもが大好きで、若い男の子だって子どもをみれば近づいたり、微笑んだりしています。全然知らない人でさえ、この国は子どもにキスしちゃったりします。かわいさゆえです。子どもが国の宝だと思えるくらい、みんなで大切にしています。日本はどうでしょう。子どもが少しうるさかったりすると、あからさまに嫌な顔する人とかっていますよね。もちろん公共でのマナーは大切だけど、よっぽどその大人の方が人間としてのマナーが良くないと感じます。日本も子どもをみんなで育てて、誰それの子とか制限なく愛しめるといいですね。きっと日本もかつてはそうだったんだろうなぁ…。ブータンに長く暮らすであろう私にとって、分かりあえるなんて最初から思わないという意識が大切かなぁ…だって、現実に元々違う国だし、国民性が同じであるはずないんだから。ありのままを受け入れる。この現実を頭に置きながら、今後も素敵なことはどんどんと発見できればいいなぁと感じています。

(写真:建築中の赤い家は大臣用、みな引越してくるそうです)

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