2011年8月7日

ブータンの現実

タシさんが仕事で居ないので、妹と弟と夜遅くまで色んな話をしています。外国の話になると「その国はリッチか?」とイチイチ聞かれます。ブータンに比べればどこの国もリッチです。よく考えるとブータンは貧困国なのに、本当にピースフルだなぁと感じます。そんな話をしていたら、妹と弟は実家のトンサの周りには、とんでもなく貧しい人が多く、お米がないので何かの粉を溶いた物を食べ、家も雨が降ってボロボロの小屋でジャングルに住み、服も繕ってはいても、とんでもない状態な人が大勢いると言っていたので、驚きました。実家に野菜を貰いに来たりする人がいて、妹が着ていた服を実家にあげているので、お母さんはそのお古を物乞いの人にあげるそうです。田舎の方は蛇が出るので、そういった人は長靴もないので、蛇にかまれることも多く、亡くなることもあるとか。驚いたのは、生活苦で自殺する人も多いとのことでした。 ブータンは自殺はないと思っていました。


私の住むアパートにも、たまにお金を乞いに来る人が居ます。ドアを開けると汚い人が居るので、正直、ビックリします。先日は小学生か中学生くらいの2人組が来ました。ブータンの言葉は分かりませんが、汚い格好で手には貰った札を持っているので、すぐ物乞いと分かり、お金をあげました。その後大家さんが来て、「若い子達の物乞いには、お金をあげなくて良い」と言っていました。「若いんだから、何かしら働いてお金を得ることが大切で、小さい時から、家々をめぐってお金を得るのは良くない」とのこと。お年寄りの物乞いは生活苦の人なのであげて良いと、アドバイスをもらいました。


妹に「日本にもそんな人がいるのか」と聞かれたので、「ホームレスはいっぱいいる」と答えると、「ブータンはボロボロだけど住む場所はあり、日本は何でリッチなのに家もないんだ」と聞かれてしまいました。うちはメモリアル・チョルテンの側で、そこにはいつも座ってお金を乞うオジサンがいます。妹曰く、そのオジサンは「自分よりもリッチ」と言っていたので笑えました。物乞い金持ちだそうです。


大家さんの家を見ていて感じますが、本当にブータンは生活するのが大変な人が多いです。物の値段は上がる一方で、大学を出ていても就職先はないくらい就職難で、女性は色々と家の仕事をしたり、キラなど作ったり仕事がありますが、男性陣は家でプラプラしています。大家さんと市場に行った時、ジャガイモを買おうとしたら「庭で取れたジャガイモがいっぱいあるから、ジャガイモは今後買わなくていい」と言われました。生活が苦しいのに、いつも色々分けてくれます。ブータンは貧困国ですが、施しは普通で、助けてくれる人が多くいるのでホームレスにはならないんですね。


そんな中、大家さんをお手伝いしたいと思い、一緒に商売をすることにしました。ブータンは夏にハエが多く、殺生はしないのでハエが家の中をブンブン飛んでいます。ハエは赤痢やポリオなど危険な病気を伝染させる危険もあり、汚くてウザったいですよね。そこで日本の「虫取り網」を応用し「ハエ・キャッチャー」を作りました。試作品をいくつか作り、網の大きさや長さ、棒の長さなど考えました。アパートの皆なが借りに来て、結構、大人が楽しんでハエを捕まえています。話しをしただけでも、欲しいという人が何人もいるので、販売開始が楽しみです。宣伝を兼ねたタグをいま制作しています。これを見ても、何だか分からない人が多いと思うので、ちゃんとハエの絵入りの解説をつけます。人気のある飲食店には宣伝を兼ね、サービスであげようとも考えています。このハエ・キャッチャーは日本の友人の協力を得て、ネット部分は100円ショップの洗濯ネットを使っています。ブータンではネット部分を手に入れることができないので、日本の100円ショップのネットは頑丈で安いし、送料も軽いので私が他に必要な荷物がある時に送ってもらい安く済ませました。今年は宣伝の年で来年から本格的にブータンに拡がるといいですね。


(写真:ハエ・キャッチャーの試作品。口が小さいのはキャッチが難しく失敗作)

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