2012年4月30日


前にも書きましたGNHはチベット仏教無くして、実践は難しいと感じます。掲げることはできても、ブータンが実践できるのは個々のベースにビジョンがありますね。生きとし生けるものの命を大切にし、輪廻を信じているので、少しでも良く生きようとし、生き方に一本筋が通っています。揺るぎないビジョンがあるんですね。ダライ・ラマ法王のお話を聞かせていただき、いつも最初に仰るのが「すべての命は幸せになりたいと思っている」です。日本は輪廻転生も確信がなく、フワフワなので死生観もハッキリせず、怖さもあってか「死」を忌み嫌い、環境が「死」を意識させてくれません。死を意識してこそ、生が活きてくるんですね。介護の勉強してた時、上智のデーケン先生から「死の準備教育」を教えてもらい、それはカトリックがベースでした。私にキリスト教は難しく感じられましたが、人それぞれに合った死の受け入れがあると思います。日本は死も意識しないけど、同じように「幸せ」も意識しなさすぎるし、意識させない環境だと感じます。この2つは肝心なことです。とにかく忙しい(忙しいという字は、心をなくすと書きますね)。何のために仕事をしているのかと問えば、家族や自分のため、でしょうが、では、なぜ家族や自分のためにしているのか…と自答すれば、幸せのためではないでしょうか。仏教は物事に要因があって結果がある、必ず理由があり、何かあった場合は「検証」が大切で、科学的な面もあります。日本は「幸せになる」という明確なビジョンなく、生きている人が多いように感じます。仕事でやりがいを持ちバリバリ働くことも一見、幸せのようで、その時は満足かもしれないけど、家族や身体など、何かを犠牲にしていたら、それは本当の幸せではないと思います。リタイヤした時、虚しさを感じる方もいるでしょう。「ああ幸せだった」と死ねたらいいですよね。死後についてブータン人は明確なので、そのために今、良いことをし、祈りながら日々生きます。まず「私の幸せはなんですか?」と自問することが、最初の一歩のような気がします。生きにくい日本ですが、環境と自身の思考の2つの要因で、人は幸せか不幸かを感じると思います。環境を良くするのは、自分のためなんですよね。私はいつ死んでも良い、と思って生きるようにしています。ただ、子どもが産まれてからは難しいですが、でも、人は自死以外、いつ死ぬか分かりません。環境はとても大事。これほど大きな不安を抱かせる原発は無い方が良いし、原発には被爆が伴い、残念ながら今後、多くが病気となって苦しむのは確実です。自分の幸せを深く考えれば、家族・友達・地域・社会・国・地球が幸せであることを望むことになりますね。私も前は終電に乗って帰るような仕事で、やりがいもあって、それなりに楽しかったですが、週末はヘトヘトで親友に滅多に会えず。友人も休日出勤も多く、病気になりながらも頑張っているので、メールも控えました。返事を出すのに時間と労力を使わせるのは忍びなく、滅多に連絡いしないようしました。みんなどんどん身体を壊し、ギリギリな状態で仕事をし、辞めたら次がないから…と。ほどよく、仕事・身体・家族・友人とバランスよく出来る環境が幸せを作ると思います。極端はよくないですね。
最近は世界に残された秘境のように称賛されるブータンですが、そういった角度だけで見ない方がいいですね。ブータンと日本の違いをよく書いていますが、ブータンがダメとか日本のここが良くないとか、そういったレベルではなく、究極、生かされている命をどう生きるかという観点で、ブータン&日本、そして世界の素晴らしいと思うことを共有できたら、そして自分の記憶用とてしズラズラとしています。ブータンとの縁で人生の旅がどうなるか楽しみ。
(写真:ブータンに戻って来る時、飛行機が同じだった日本の方から、写真を送っていただきました。元気過ぎて大変)

2012年4月27日

違い

僧侶の義弟が遊びに来ました。従兄弟の僧侶も一緒です。平日の昼間っから、何でこんなに集まれるの?ってくらいのブータンですが、ワイワイと(義弟2人、義妹と彼、僧侶2人)。普段はインド・デリーにある、白い方のカルマパ(2人いて白と黒と呼ばれています)の僧院にいます。これからマレーシア・香港などに行くことになるので、パスポートの更新に帰ってきたそうでうす。ベランダがエンジ色に染まりました。僧侶は下着以外、エンジ色の物を着けると決まっています。前に来た尼僧の義妹はエンジ色のジャケットを買うため、20か所くらいの店を周りました。仏教国で僧侶だらけの国なので、全てエンジ店を大きくやれば、間違えなく流行りそうです。町に小さな店がありますが、尼僧用が足りませんね。大家さんの息子さんで、イケメンのティンレイはインドの大学を卒業し、昨年、こっちに戻って来ましたが、仕事はなく、よくよく考え、僧侶になる道を選びました。韓国俳優のようなお顔で、身長も高く、もてるだろうなぁ…と思っていたので、本当にビックリです。きっと良い僧侶になってくれるでしょう。義弟の僧侶は、金周りの良い僧院だけあって、携帯やデジカメ、さまざまなハイテクを持っていて、なんだかなぁ…と思ってましたが、義妹がトイレの芳香剤を使おうとした時「それは虫を殺さないか?」と真剣に言っている姿に、少し安堵。ちゃんと僧侶なんですね。ここブータンに住み、日本と全く違うのが、“生き物を殺す”ことについてです。旦那のタシが日本に居る時、しらす干しを見て「いのちがいっぱい」と言ったのに最初は笑えましたが、命の捉え方が全く違うのです。うちでは、よくNHKワールドを見ていますが、漁師さんが魚を捕るシーンなど見ると、家族や大家さん一家は「ザイー」と声をあげます。命を奪っていることに対し、いけない、そんなに命を取ったら、来世は・・・という意味の感嘆です。ブータン人も肉は食べますが、断然に量は少なく、鶏肉の場合は大きくない箇所は骨までバリバリ食べます。日本とブータンでは生命として捉える幅が大きく違うので、尊ぶモノに断然に差がつきますね。「生きとし生けるものすべてが幸せに生きる」。素晴らしい価値観だと思います。同じ仏教思想でも、死生観はブータンと日本は違います。ブータン人は死後の生まれ変わりを信じ、次の世も“人間”に生まれたいと考えているので、蚊やハエなど、命あるもの全てを殺さないように生きます。殺生をすれば人間界には行けないと考えています。死んだ後、49日で転生するので、死の受け止め方があっさりしています。日本は輪廻の思想はあって、なんとなく信じるような信じないようなで明確でないので、49日を過ぎても供養をするんですね。普段は必死な感じを見せないブータン人も“殺さない”ことに対しては驚くほど真剣です。大家さん一家と共同制作のハエを外にリリースするための“フライ・キャッチャー”を今年の夏に販売しようと思っていますよ。(まだ材料がそろってないしぃ…)
(写真:このかわい子ちゃんは誰でしょう?ヒントは来日しましたよ~。全然変わってないですね。)

2012年4月25日

エール

義弟からブータンの嫌いな所は?と聞かれ、考えましたが虫(ノミ)くらい。ブータンのノミは、蚊の10倍くらいの痒さです。それ以外は全部好きだと応えたら、義弟は「でも、汚いでしょ?」と。「何が汚いの?すべてが美しい国じゃない」返せば「犬がたくさんいるし…」と。「日本では毎日、野良犬は殺してるのよ」と返したら、自国の美しさに気づいたようすです。新聞では農家の苦労話がありました。育てた野菜・米のすべてをワイルドアニマルに食べられてしまったそうです。ゾン(県)の農業担当に訴えても、相手にされず。次に野菜を作っている時に動物が来て、殺してしまったそう。それを誰かに報告され、相当額の罰金を支払わなくてはいけないと嘆いていました。農家は苦労も多く、休みなしで本当に大変です。お野菜を買う時、とにかく安い物を求めますが、その苦労も考え、大切に戴かないと・・・と思いますね。一緒に住む義弟も実家に居た頃は、毎晩外で動物がこないか見張り役だったそうです。動物が来たら叫んだり、石を投げたりして追い払ったそう。農家には頭が下がるばかりですね。
親友に赤ちゃんができたり、義兄弟に赤ちゃんが産まれたり妊娠したり、周りがベビームード満載なので、出産について、最近よく考えます。「心配」が一番に来ると思いますが、キリがないので、自分と赤ちゃんの力を信じ、後はお任せするしかないのかなぁと感じます。出産は自分が自然の一部であることをすごく感じ、まさに動物なんだと実感します。満月後の3日間は出産が多いと助産院で言っていました。月の満ち欠けに左右され、気圧の関係で、悪天候の日はお腹がバンバン張ります。そんな時、つらくもありますが、自分の中の自然に気づけば、怖いことはありませんね。母になるといのは、強くなければなくなります。なので、妊娠中の不安に打ち勝つ精神力が、強くなる最初の一歩なのでしょう。やれることはやり、あとは自分を信じ、大きなものに託すことが大切なんだと思います。赤ちゃんのことを一番に考え、食べ物を選び、石鹸やぬる物など身体に変な物は入れないようにし、よく動き、産み方も自分の善し悪しではなく、赤ちゃんにとってどういう産み方が良いかを考えれば、きっと満足したお産になるでしょう。健康なのに無痛分娩や帝王切開は母の都合。心は子どもにおけば、そんな馬鹿なこと考えられません。自然に産みたくても、帝王切開になったり、途中から変わったりすることはありますが、それは結果、一番よかった方法で、後悔は必要ないし、最善を尽くせば子に愛は通じると思います。陣痛は辛いけど、必ず休みが入るよう、神様は設定してくれました。冗談だって言い合えるくらい、休みの時は痛くありません。私はそこで、リポビタンDを助産婦さんに頂き、ファイト一発、という感じでテンちゃんを自分でキャッチしました。陣痛の合間には、自分の好きな物を飲めたり・食べられたりできるよう、準備しておくといいですね。私が痛みを逃すために捉まった助産婦さんは地方から来ていた方で300人くらい取り上げているけど、こんな素敵なお産は初めて、と仰っていました。研修に来ていた日赤の学生さんが、産後の処理をしてくれ、後日、部屋に訪れ、涙をためながら、初めてのお産介助の感動を伝えてくれました。出産って、キツイものですが、なるべく自然に近い状態で、自分の意思を通せる状況にしてもらえば、これほど幸せなことはない、と思います。あまり本は読まず、自分の勘、自分と子どもの力を信じ、産後は昼夜が逆転し、休む間もありませんので、楽しいことをいっぱいして、穏やかな気持ちで楽しんで下さい。物事の悪い面ばかりに目をやらず、良い面を探すと幸せな気分になりますよ~。体力は必須なので、とにかく歩いて下さい。頑張って~!!
(写真:赤ちゃんの持つ力はすごいよ)

2012年4月24日

母の愛は

私は出産前にあまり知識がなく、みんなが普通に出産していると思っていましたが、後から普通分娩がこの時代、大変なことだと知りました。出産にはママも努力が必要で、それなりの身体が必要だと聞き、とにかく出産日まで毎日歩きました。ブータンに居る時は、メモリアル・チョルテンをグルグル1時間。無事生まれますように、と毎日祈りながらのエクササイズです。ブータンのおトイレの和式が多いので、これは妊婦にとってかなり良いそうです。昔は床を雑巾掛けしたり、知らず知らずの間に出産に必要な筋肉が鍛えられたんですね。明日香医院の大野先生は初産婦は3時間あるくよう指導があるそうです。今、思い出しても出産が私の人生経験で、一番素晴らしい体験だったと思います。義妹は出産を怖がっていますが、案ずるより産むがやすしですね。いまティンプー病院の新生児医療には日本の女医さんがいるので、いざという時には安心です。
昨日はこれまたブータンに驚き。ミス・ブータンの評判を前に書いたら、ある方がミス・ブータンのママに連絡し、ママが家に電話を掛けてきました。くだらない人間もいるもんだと笑っちゃいました。名前は公開していないのに知ってたのですぐに分かりました。ブログはどんな人が見ているか知る機能があり、これまた驚いたことに結構、見てるんですね。トップは日本でしたが意外に2番目がブータンでした。英語が得意でない私にママはゆっくりお話してくれたので、言っていることは理解できました。何で書いたのか?と。私はブータンの日常を綴っていて、何を書くのも自由だし、読む側もどうとるかは自由なんですよ~、と。ブータン人の感想をそのまま書いていて、こういったママとのお話なども、日本人に異文化で信じられないことだから書くつもりです、と。私の英語はハチャメチャで通じてないでしょうね。ステージママと同じ心理なんでしょうね。美とは内から発するもの。来日した王妃は、真の美しさを持った方ですね。歪んだ愛情は不幸を生みます。権力でどうにかしたかったのでしょうか。「それで?」と私が聞くと、「ただ話したかっただけ」と。何かを守りたかったか、落ち度を悔いてるのでしょうか。この電話をもらい、過去を封じ込もうと母がお願いしまくった、ということが本当だったんだのだと察し、逆に驚きました。この国は度を超えた権力者が多いですね。まだまだ自由ではない国で、発言にも統制が掛かり、権力で片そうとするのは、豪族が纏めてきた名残りでしょうか。第4代国王のような素晴らしい知性と権力が両方存在する不思議な国です。ステージママが何するか分かりませんが、それがブータンなんですね。過度に期待すれば子は犠牲となり、歪は必ず出ます。ブータンは保守的な面があると同時に急速な近代化で、特に親世代の価値が智慧を離れ、物質主義へシフトし、問題が浮上するのでしょう。親は自分の子、可愛さに周りが見えなくなり、そんな親を見てまた子も同じようになりますね。大人になりきれないエゴの強い親を持つのは気の毒でなりません。近代化で真の価値を見失わないよう、律しながら、しなやかなに強く生きる智慧を身につける必要がありそうです。母は大きな海でありたいですね。近代化の歪んだ価値から子を守ることが重要そうです。私は出産のことを思い出すとたまらない幸福感に満たされ、生きてることへの感謝がわいてきます。さて、今、一番観たい映画26日にあり、でも、ここはブータン…。ちょうどチェルノブイリから26年目を迎えるそう。事故当時の子どもたちは、元気なのでしょうか。私も何度かベラルーシの子どもに寄付しましたが、その後はよく知りません。先日、FBで福島で咲き誇る桜の下に放射能の防護服を着た人達の写真を見て、美しさと恐ろしさで急に悲しみが込み上げました。何があろうと自然は関係なく、毎年きれいな花を咲かせます。放射能の恐ろ​しさは自然と違い、何年後に出てくるか分かりません。病気はあとづけでやってきます。地震や津波は自然で避けよう​がないけど、放射能は人が作るもの。津波とは別に同じくらい恐ろ​しいことがやってくるのは確かですね。人の智慧が問われます。
昨日から、にわか日本語教室を5人で開催中。結局、冗談ばかりで、全然進んでない気もしますが、少しでも上達すればいいのですけど…。
(写真:こんにちは、赤ちゃん。出産は最高よ、心配せず。どこに生を享けるのか・・・。考えたらキリがないですね。)

2012年4月23日

ベビーラッシュ

こんなくだらないブログ見ている人はいるんだろうか・・・と思いますが、スウェーデンの友人が楽しみにしていると。友人用に消息情報だと思って書いており、馬鹿みたいな内容なので、聞き流すよう、見流して下さい。知り合い以外にも見ている可能性はあるのかと思ったので、ちょっと宣伝。
ブータンに来たいと思っても、なかなか高くて行けないな、という人も多いでしょう。狙いは78月です。公定料金もハイシーズンより$50安く、航空券は30OFF。ざっとですが56日で1人旅なら$1,9453人以上は$1,745。日本の旅行社はブータンの旅だとお金が取れるそうなので、価格設定が高いですよね。ぜひ、一度、自分の目でブータンを確認しに来て下さい。色んなことが、超・面白く、また、人生を考えさせられることが多い国です。「Bhutan Retreat」で検索してくださいね。
昨日は旦那がガンテから車で帰って来る時、前から来たバイクを止めたそう。道がクネクネしていて狭く危ないと思ったそうで、止めちゃったバイクは国王で驚いたと。レザースーツでかっこよかったそうです。警備は後ろについていて分からなかったと言ってます。国王、ごめんなさいね。安全運転でお願いします!
義妹はもうすぐ妊娠7ヶ月。なのに最近まで兄(私の旦那)に妊娠を聞かれても、してないと。ちゃんと結婚するまで妊娠するな、ときつく言われていたので恐くて言えなかったそうです。彼と同居を始め、準備は整いました。夜勤も今月で終り、来月から日中だけの仕事で、産休は2ヶ月と短めです。おととい、タシさんから「干し肉とバターは用意できてるのか」と。さすがに7ヶ月になると大きなお腹で隠せません。義妹は兄の言葉にホッとしたそうです。ブータンは結婚手続きや出生届など緩やかで、同棲を始めたら結婚していることと、ほぼ同じ。手続きは面倒なのでなかなかしない人もいます。また、子どもが産まれたら、日本は2週間以内に届け出が必要ですが、ブータンは特になく、子どもの名前も僧侶に決めてもらうことがほとんどなので、最初は“baby”と呼ばれ、名前をいただくまで、何ヶ月も“名なし”は珍しないですね。育てにくそうな気もしますが、それがブータンです。私の場合は、生まれる前に名前を付けていただいたので、お腹に向かって声が掛けやすかったですね。ブータンでは性別は病院で教えてくれません。教えたら、インドにいって堕胎してしまう人がいるからだそう。殺生をしない国なので中絶もだめなんですね。虫さえ殺さない国なので、殺人率は少ないように思えます。たまにナイフでブスって話しを聞きますが、猟奇的や変質的な殺害は聞かないですね。
(写真:昨日はガラップ・リンポチェによるワム。祝福のこと)

2012年4月21日

民主主義


義弟の子どもが産まれました。3人目の男の子です。パパは女の子を期待していたようで・・・少しがっくり。ブータンの病院に入院すると、家族が食事を持って行きます。一応、病院でも出るようですが、まずいそうです。うちでも、旦那と義弟2人が大騒ぎしながら、牛肉スープやおかずを作って、日に3度、届けていました。私はブータンのしきたり、妊婦に何を与えていいか知らないので蚊帳の外。バターたっぷりの肉スープは、母乳が出なくなりそうな気がします。けど、これがブータンの文化なんですね。産婦はしばらくエマ(唐辛子)は控えないといけませんが、つらいそうです。
GNHが内外に先行し、実質が伴っていなかったブータンは、バブルはじけて、彼らの辞書にはなかった“反省”をしています。危機に気づきいて改革が始まりました。純粋な分、何にでも興味を示すブータン人はドラッグに関しても、日本人のとは違って手軽な感じです。職を持てないでゴロゴロした若者達が、格差社会で置いてきぼりになって、ドラッグにハマっています。若い男の子でドラッグをやったことない人の方が少ないんじゃないかと思えます。職がなければ生きていけないのが人間ですね。国は取り締まりを強化すると言いますが、仕事を作ることも必要ですね。妹の彼は政府主催のビジネスクラスに行っていますが、チャンスを貰える人はごくわずか。ここに通ったところで、発想がプアなので仕事はできないでしょう。こういった面で海外支援があるといいな、と感じます。家を訪ねに来る、物乞いの子どもも多くなりました。あまりの早い近代化に犠牲となっているのは若い人達のような気がしてなりません。彼らだけが悪いんではないと思います。元来、今を楽しむのが上手なブータン人。格差社会で成金になった人達は品がなく、金持ち学校に通うけど、エンジョイすることに熱心で、教師が叱ると「金、出してやってる」と反論するそうです。先日は親が先生をぶん殴り、歯を折ったとか。今の子ども達の問題は、親世代の責任です。ただ、その親も急速な近代化・格差社会のゆがみに戸惑い、ブータンが大切にしていたスピリットを、物やお金で忘れつつあるのでしょうね。国王が首都の学校を訪れ、勉強に励みように毎年お話をしますが、最後に国王から「要望はないか?」の問いかけに「結婚を祝う歌が歌いたい」と。さすがの国王もお怒りになったそうです。バカにされた原因は国王にもあると思います。人気を得よう親しみやすく国民に近づき過ぎたので、軽く見られたのでしょうね。
ブータン人は対等という感覚を持つ人が少ない気がします。何かと「あの人は偉い・あの人はダショー・あれはロイヤル・あそこはお金持ち、など」。人間に優先順位をつけるのが得意です。まだ真の民主化はされてないんですね。政府家であれ、対等であるべきで、尊敬はあっても、権力ですべてを治めるブータンです。この価値から抜け出せた時、第4代国王が望んだ民主主義国家となるのでしょう。若者たちが自分を信じ、考える力を身につける教育が一番必要なんですね。
(写真:ダライ・ラマ法王が最近、祝福したホクレア号。写真は5年前のカワイハエ)

2012年4月20日

いよいよです

ブータンだから時間がかかるだろうな、と思いながら運転免許証を申請してみたら、すぐに貰えました。次は車・・・と、その足でトヨタに行ってみましたが、輸入車は政府からの輸入ライセンスが止められていて、再開はわからないそうです。“今ここにある在庫はどう?”と言われたものの、日差しが強く車内がアチチチ~なので、赤い車は見るに耐えません。帰りにarmy色の新車が停まっていて、タシさんが軍隊の新車じゃない、とのぞいて見ると、第4代国王夫人?でも、ナンバープレートがBHUTANではありません。第4代国王の王妃は4人で姉妹ですが、もう1人姉妹はいて、でも、国王とは結婚しなかったそうです。「フリー」とタシさんが言ってましたが、国王が結婚をこの人だけ望まなかったというのは考えにくいので、彼女は自由な身でいたかったんでしょうね。日本もそうですが、ロイヤルはいつでも注目されるので疲れるでしょうね。よっぽどの精神力がないと何かに負けてしまいそうです。
さて、ブータンはゴミのポイ捨てにシンガポールのような罰金制度が始まりました。お店の前などのゴミはオーナーの責任になるそうで「捨てないで」とお店の人が言っています。ゴミの街、ティンプーは生まれ変わるでしょうか?ペナルティについて国営放送BBSでやっていて、でも、国民が知ったのは1週間くらい前。さすがブータンです。番組では「今回だけ見逃して!次からはやりません」といったことは通じず、必ず罰金は支払わなければならない、と。貧困国といっても過言ではないブータンですが、罰金額が高いので、効き目はあるかもしれません。お金が掛かるとなればブータン人だって本気だしますよ。この方法以外は考えられなかったので、上手く行くといいですね。ゴミ出しもルールが変わり、日本のように物によって収集が違くなります。これまではプラスティックも全部一緒にしている人が多く、収集車のスタッフが、分けてくれていました。いい加減なゴミ出しでしたが、ゴミは資源にもなるということを学ぶ時が来たようです。昨年から街には可愛いゴミ箱が置かれたり、里帰りからブータンに戻った時、街がキレイ・・・と感じたのですが、これは日本人スタッフが活躍しているんだと思います。12年で帰る、キャリアアップのためのブータンではなく、真からブータンを考え・悩んでいるんじゃないかな、と話はわずかでしたが、感じました。
昨年の国王夫妻来日でブータンがブームになり、さぞ旅行会社は繁盛しているでしょう、と聞かれますが、返ってお客さんは来なくなってる気がします。ブームが来る前は、日本の旅行社でブータンを取り扱うようところが少なかったので、現地旅行会社に直接、申込みがありましたが、今は多くの日本旅行社でツアーがあるので、気軽にブータンに行けるようになったんでしょうね。質の良い旅行をしたいなら、ガイドを選んだ方がいいですね。高いお金払うんですから、それなりの旅にしないともったいないです。
この国の人達はコミュニケーションが、日本人よりはるかに上手いと感じます。考えを押し付けることをブータン人は絶対にしませんし、強い否定もしません。チベット仏教の“すべての生命に仏をみる”が小さな頃から身についていて、他を尊重します。ブータン人は我(エゴ)が強くないですね。この国は「幸せの国」と言われますが、幸せの国は個々の人格から成り立っているんですね。たまにここに住んでいて、天国のように思えて怖いことがあります。
(写真:お水あげが日課)

2012年4月16日

プジャのあと

ランチに大家さんのところから、きしめん風な物をいただきました。私の好物でいつも作ると持ってきてくれます。私用には唐辛子はほとんど入れず、味付けは塩・油・しょうが・山椒と、少しの一味唐辛子が入っています。テンちゃんも気にいったようです。麺類は何でも好きなので私と同じですね。今日はひさびさに日本人に驚かされました。義弟はいま無職で、学費をどうするかで日本語学校に行くか考えていて、入学に必要なレベルテストを受けなかったそうです。22歳ですから自分の責任でやりなさい、と言っています。テストを受けるお金がなかったのかもしれませんが、レベルチェック後、一番下のクラスになるようなら学費が無駄な勉強なので行かないと。お兄さんのタシと相談し、レベルチェックをしてみないと分からないので、次のテストを受けようかと話し合ったそうです。そんなこと私は知らず、日本人の先生からの電話で「テストがあったのに、受けに来なかった理由は何ですか?」「次回のテストは受けに来る予定ですか?」と。私が怒られているかのような口調で面喰いました。話がみえないから対応しようがないのに、早口で「次は来るんですか」と。ずいぶんと失礼な感じですね、と応対したら、そんなつもりはないと。そんなつもりじゃないから一方的なんですね。日本語を教えるのはコミュニケーションの手段です。先生は偉いのか知りませんが、こういった方は日本で働くのは難しいのかもしれませんね。日本語を教えることもですが、人間として何が大切なのかブータン人から学ぶことがいっぱいありそうですね。
昨日は妹の彼の家のプジャに呼ばれて行ってきました。法要ですが、特に私は何をする訳でもなく、ディナーをご馳走になっただけです。僧侶が数人、そして何人か男性がお手伝いをしていました。普段はのんびりなブータン男性も、プジャの時はキビキビ動いていたのでビックリしました。ドルマという人形みたいなのを読経の最後に外へ持っていきます。川に小さな船を流す、日本のお盆を思いだしました。紹介されても覚えられないくらい遠い関係の親戚が何人も来ていて、プジャそのものより、後の“打ち上げ”に、みな来ているようでした。その間、タシさんからは何度か電話があり“タッパに入れて肉を持って帰って来てくれ”とか、“8時に地震が来るとラマが言っている”とか、“弟とテンちゃんと3人でこれから映画を見に行くから帰りは10時です”とか、くだらないウソばかり。だったら自分も来ればいいのですが、風邪が続いています。いま、結構、風邪が流行っているようでアパートの住人が次々と風邪をひいています。ブータンの病院にはかかるのに勇気がいるので、とにかく食べ物で病気にならないよう、しっかり良い野菜をバランスよく食事するよう心掛けています。レトルトなどがほとんどなく、13食を自分で作るので飽きますが家族の健康は台所が基本ですね。うちの冷蔵庫は野菜の保存庫になっています。日本の野菜と違って、ダメになるのは早いですね。ブータン人は結構、肉が好きで、牛肉は干して使うのでビーフジャーキーみたいな味がします。先日、ブータンの牛肉でハンバーグを作り、みんな美味しいと言っていました。日本とは肉の味が全然違くて、匂いがキツイのでハンバーグなら食べられそうです。
(写真:上・うちもとうとう“干し肉”を始めました。下・玉ねぎは紫。皮むきをお手伝いが得意)

2012年4月15日

風の国は・・・

義弟から、トンサの実家で買う物は塩と肉だけ、と聞いてすごいなぁと。色んな野菜やお米を作っています。油も自家製だそうです。使わない野菜は売ったり、あげたりもしています。トンサでは最近、電気が通るようになり、だいぶ生活は楽になったそうです。ブータンと言えども、首都ティンプーの暮らしは、野菜が手に入らないことや停電などの不安もありますが、トンサの両親は何があっても、たくましく生き残っていけるでしょうね。
最近、ブータンはすごいことになっていますが、うちは相変わらずで、趣味は何?と聞かれれば、いまは白髪抜きぐらいです。A型としては規律を乱す白い主張が許せないんですね。毎日、同じような日々ですが、朝、起きた時と、夜、寝る時に“幸せだなぁ”と実感します。海外で暮らすと生活がスムーズではない分、生きることへのありがたみをガンガンに感じるんでしょうね。ブータンに居ると、環境のせいと思いますが、丁寧に生きることができます。そんなブータンはバブルがはじけ、国が改革をはじめたようです。国連からやっと戻ったジグミ・ティンレイ首相がおととい、国営放送BBSで国民へメッセージを送りました。ゾンカで英語でないので、正確ではないかもしれませんが、ざっとこんな感じです。

ブータンの開発は海外の支援で行われている。ブータンの利益の半分は海外、特にインドへ流れている。店で売られているものはインドからの物が多く、生活のほとんどがインド産を占めている。最近は安いインド産の野菜をブータン人が買い、ブータンの農家は野菜を作っても売れないとかと心配もしている。ブータンの農家もケミカルな物を使うようになり、農家はそれを詳しく知らずに使っており、それらを食べているブータン人の身体は弱くなってきている。今回のルピークライシス(金融危機)は、政府も銀行もたくさんのmistakeをした。ローン制度も詳しく調べず、お金をかしたりしていたので、これからは審査など、管理をきちんとする。インドに電力を売っているため、充分、国に資金はある。5月からインドの野菜はすべてストップするようする。今年から冬でも野菜を取れるよう、政府が農家にビニールを提供する。薬については大きな問題がある。インドからブータンに薬が届いた後、病院まかせで管理がされておらず、大まかな方法で、患者が薬で良くなっていないため管理を徹底していく。国連会議に出席し、無駄なお金を使っていると考える人もいるかもしれないが、参加には理由がある。国連には多く国が参加しており、アメリカや日本などの大国がブータンのGNHに興味を示し、ブータンは小さな国であるが、世界から注目されている。GNHで間違ったことをやってはいけないし、発言も慎重になりプレッシャーも大きい。最後に、決してセルフィッシュ(利己主義)であってはいけません。

以上。最後は政治家やリーダーに向けての発言でしょうね。そして、今日知ったのは、ゴミを放棄した場合、罰金制が始まるそうです。ブータンはとてもいい国なのに、ゴミだらけ・・・。それが改善されれば、本当に素晴らしい国になりますね。近年になってプラスティック系の物がブータンに入るようになり、その前までは自然に還るものしかなかったため、捨てても問題ありませんでしたが、今は違い、ゴミがずっと残っています。どんな人格者でもポイ捨てをしてしまうのは、小さな時からの習慣なんでしょうね。捨てるのは良くないことだと分かっていて、ブータン人は止められません。ペナルティ制以外、考えられなかったので、良い対策だと思いますよ。しかも、びっくりするような罰金額です。インド産の野菜を止めることやゴミ放棄も、すぐにバッチりいかなそうな国民ですが、良い方向に行くことは間違えないでしょう。ブータンはリーダーの決断力が素敵だなって思います。
(写真:スタンディング・ブッダがタイより贈られました。公園の横にあります)

2012年4月12日

ウソ


昨日はお隣の家で映画の撮影をしていました。少しで終わるかと思ったら、1日中やっていました。最近、お隣の家には、ロイヤルファミリーが毎日来ています。ロイヤルは車のナンバープレートがブータンなので、すぐに分かります。刺青をしたブータンにしては大胆な女性が目当てだと、大家さん一家は言っていました。ロイヤルだとデートもバレバレですね。義弟は撮影が好きな女優ではなかったので、かわいくないとか、ブーブー文句を言ってました。お角違いです。男優は初代ミス・ブータンのご主人で、テレビでみるままでした。日本だと芸能人はテレビで見るのとだいぶ違うのですが、ブータンの芸能人は、テレビと同じなのは何ででしょうね。小さな国なので、芸能人はゴロゴロいます。初代ミス・ブータンはあんまりキレイではなく、ブータンでも人気がありません。AV女優の経歴があるのでブータンではもってのほか。本人がミスに選ばれる前にAVについて黙って欲しいと何人かにメールしたので、それが転送され、ブータンで周知のこととなりました。みんな小声で「恥ずかしい人だ」と言います。まだまだ保守的な面もある国です。日本でいう財閥のような、お金持ちのお嬢さんなのでミスに選ばれたのでしょうね。
前にブータン人のウソに触れましたが、日本人と違って、ブータン人の方が気軽にウソをつく気がします。ウソをついたら地獄・・・みたいな感じはなく、ウソに躊躇がない感じです。ブータンではジョークが交じったりしているので、ウソが気軽ですね。でも、今日は私もウソをつきました。シッキムで仏教の行をしている大家さんから電話があり、元気?問題はない?などひと通り話し、「母は元気?」と聞かれてしまいました。おばあちゃんは、ここのところ何度も吐血し、毎日病院で輸血をしています。とっさに英語が分からないフリをしましたが、繰り返し聞かれ、「ヤーヤー」と応えました。おばあちゃんは自分が死んでもチミさんに連絡をしてはいけないと言っていました。なので、大家さん一家はおばあちゃんの状況を話していません。きっとおばあちゃんも大家さんが戻って来るまでは頑張ってくれるんじゃないかと思います。そんな状況なので、普段は快適なアパートの水があまり出なかったり、犬がばらまいてしまったゴミが汚いままだったり、大家さん一家はおばあちゃんの世話やプジャ(祈祷)で余裕がないので、我が家がゴミ処理をしたり、先日は義弟が水のコントロールをしに山に行ってきました。早く良くなりますように…。
(写真:撮影中。チューリップが咲きました)

2012年4月11日

かわいすぎ

待ちに待った旦那の妹に会うことができました。トンサからの道がブロックされていたので、インドの方に周って来たので、かなり疲れたそうです。ブータン人は恥ずかしがり屋が多いのですが、この妹は目を合わせるのも恥ずかしいようで、私が色々質問しても、応えは他の兄妹にしていました。一番聞きたかったのは、どうして尼さんになったのか。ちゃんとした応えはきけなかったけど、姉のリンジンを見て、学校を出ても仕事を得るのは難しく、色々と人生を悩む姿を見て、仏教の勉強をしたいと思ったそうです。瞑想をしている時は本当に幸せで、終わった今は勉強をたくさんする必要があるので、少しストレスに感じているそうです。上の写真はちゃんと撮れなかったですが、かなりの美人でIDカードのロングヘアーの姿は本当に美しく、兄妹の誰もが、髪があった頃は美人で男性が取り合うぐらいもてた、と言っています。昔は短気だったそうですが、修行や瞑想をして、それはなくなったとのこと。彼女のおかげで、昨日はチベット人のリンポチェに会うことができました。ブータンに招待され来たリンポチェで、ホテルについた時、お茶と甘いご飯を出すセレモニーがあり、そこにも参加させてもらえました。今日はまた別のリンポチェがいらっしゃるそうで、会わせてくれるそうです。最近はリンポチェずいています。リンポチェに会ったり、ワム(ブレッシング・祝福)してもらうことが、どれだけすごいことなのか、私にはまだ理解が出来ていませんが、周りの方々の態度をみていると、きっとすごいことなんだろうと、ありがたいな、と思っています。昨日は妹のショッピングに付き合い、もう一人の妹リンジンと、警察官の弟と一緒に、サンダル・シーツ・靴・ジャケットを買うのに、何箇所も店を回りました。尼さんの場合は、服の色がエンジか赤と決まっているので探すのが大変でした。昨日は他にも従姉妹の尼さんに会ったり、買い物から帰ったら、別の従姉妹が遊びに来ていたりで、ブータンに住み、一気に家族と親戚が増え、たかが買い物で大騒ぎする彼らに、縁あって一緒に居れることが、とても嬉しく、それだけでも結婚してよかったなぁと感じます。私自身は家族関係が薄い方だったので、ブータンの濃い家族仲は面白く、助け合う生き方が素敵だなって思います。
(写真:左の尼さんが末妹)

2012年4月9日

悲しみ

サブジマーケット(野菜市場)に行こうとした時、すぐ横のラカンの様子がいつもと違い、中に入ってみると、リンポチェがいらっしゃいました。尼さんが気をきかして、リンポチェに通してくれ、ワム(ブレッシング・祝福)をしてくれました。このリンポチェのお父様が昨年末に亡くなり、先日、プジャで使う大量の道具を用意するのを手伝ったので、きっと、その縁で繋げてもらえたのかも。ありがたいですね。
旦那は9人兄弟の長男で、まだ会っていない兄妹がいます。19歳の末妹は尼僧でチベットのリンポチェの僧院にいます。昨年はメディテーションで1年間、誰とも話さなかったそうです。瞑想の最中、家族の死後について見たとか・・・。彼女がもうすぐ首都ティンプーにやってきます。ほか、残るは2人です。いつ会えるでしょうか・・・。
昨日は悲しい出来事がありました。昼過ぎからティンプー川の向こうで山火事が発生し、その消火のために向かったトラックが山から横転し、2人が亡くなりました。昨年の国王ご成婚の際と似たような事故で、トラックの荷台に23人載っていたそうです。ブレーキの故障が原因と言われてますが、どう考えても載せ過ぎです。ブータンではバスの代わりに、トラックの後ろに乗ることがあります。軍隊やスクールバスとして、そういう使い方をしていますが、やはり危ないですね。ただでさえ危ない走りなので、人数は守らないといけません。山火事は多くのティンプー市民が見ています。悲しい煙を上げ続け、夜の今は、火の手がどこなのか、赤々とハッキリ見えます。雨が降りますように・・・。
(写真:家から撮影。手前はメモリアル・チョルテン)

2012年4月6日

運命?

おとといは元気だったアンゲ(大家さん家のおばあちゃん)がたくさんの血を吐き、病院で輸血をしています。早くよくなりますように。ちょうどプジャの最中だったので、何か関係があるのでしょうか…。義妹もお腹が痛いと会社を早退してきて、病院に行く前にご飯を食べるというので急いで用意し食べ終わったら、お腹の痛みは消えていました。昼食抜きで仕事していたそうで、きっとお腹の赤ちゃんが栄養を欲していたのでしょう。ルピーの金融クライシスは政府によると23ヶ月で回復するので、パニックにならないようにと。原因についてや詳しい対策などなく、シンプルで楽天的な政府見解でしたが、ブータンはこれでいいんでしょうね。被害がないことを祈るばかりです。大家さんのところにプジャをしに来ているのは僧侶ではなくスィパと言われる人で、生まれた年月日と時間から、その人の人生や前世や次の生まれ変わりなどを読むことが出来る人です。義弟によると、逆に病気にさせたりする力も持っているそうですが、普通は使いません。前にテンちゃんの生まれからライフヒストリーを作ってもらいました。その方が、たまに家に来ます。ライフヒストリーを読みながら、テンちゃんは8歳から3年間は病気になる可能性があるので、プジャ(法要・祈祷)をするようにとか、持っておいた方がいい仏像の種類など、教えてくれます。牛のように寝て、トラのように起きるんだそうです。義弟曰く、テンちゃんは寝たら起きないから牛で、起きる時は泣きもせずにむくっと起きるのでトラなのだと。ありがたいことにテンちゃんは運勢レベルでは一番良い運を持っているそうで、来世も人間に生まれ変わると決まっているそうです。占いみたいな感じですが、良いことは信じることにしちゃいます。私も見て欲しい気もしますが、恐ろしい気もするので、やめておきます。生まれにより運が決まっていて、国王はそれがあまり良くないので、何かと国をあげプジャをするんだそうですよ。
(写真:メモリアル・チョルテンに行くと五体投地をするテンちゃん)

2012年4月4日

寂しい・・・

義妹が引越していきました。やっぱり涙・・・。家族は大勢で一緒に暮らすのが一番いいですね。うちのお古をたくさんもらっていったので、生活に困ることはないでしょうが、お湯はないし、場所も街から離れていて、ビルのてっぺんで階段が大変など、今までの暮らしとかなり違い、“sad”と言って毎日遊びに来ています。シャワーはうちで入ればいいし、好きな時に泊まりに来ればいいです。新居に合うカーテンがないので、ミシンでリメイクしてあげたら喜んでいました。ブータンはモノをとても大切にします。トイレの掃除道具を買い替えたら、お古はトンサの実家にと。こんなボロでも、と思うモノも喜こんでくれます。先日、ブータン首相の国連スピーチでは、国の70%に電気が届いていないそうです。幸せの国は貧困国でもありますが、貧困と幸せは比例しないように思います。首都に住む我が家はお風呂こそ若干の不便がありますが、日本の生活とそう変わりません。トンサの実家やタシさんの兄妹の話を聞くと、本当に貧困の国なんだと実感します。格差は広がっていくばかりです。首都ではルピーによる金融クライシスが起きていますが、電気のない地域に住む人々には、あまり関係ない話かもしれません。病院などでは必要な物が入ってこないと困りますね、インドはブータン銀行に、スイス銀行のようにブラックマネーに使われてもいたようです。インド人が大勢、この国で働いており、ブータンに口座を持っています。税金は徴収できないので、管理面で多くの問題を抱えています。現在は、色んな問題が起きますが、急速な近代化やそれに伴えない知識の乏しさ、計画性がない楽天的な人間性、そして近代化と共に膨らむ欲望など、要因でしょう。しかし、当のブータン人は危機感は持たずに、いつものままです。政府は車とアルコール、そしてジャンクフードの増税を検討していて、ルピークライシスに対するコメントは、2~3ヶ月で回復するという、これまたいかにもブータン的な感じ。パニックにはならないようにと…。
先日、タシさんのお客さん達とご飯を一緒にさせてもらいました。ブータンは本当に人気なんですね。すごいツアーで、入出国は陸路です。インド国境のサムドップ・ジョンカから入り、東西を大横断し、出国はプンツォリン。たぶん70歳を超えた方も多いと思われる男女18名で、クネクネの道を長いことバスに揺られ、体力的に皆さん、かなりハードと思います。日本のご年配の方は、パワフルですね。お菓子やタオルなど色んなものを下さいました。日本食を手に入れるのは難しいので本当にありがたいですね。みなさん、残りのブータンをエンジョイして、無事、帰国出来ますように…。


2012年4月2日

バブルはじけて

先日はWWFの世界キャンペーンで、ブータンも1時間停電すると周りが言っていたので、懐中電灯を用意し、まだかまだかと待っていたら、停電しませんでした。ライトアップしているメモリアル・チョルテンでは電気を消してイベントをやっていました。普段から停電しているブータンなので、停電させる意味もないか・・・と、後から考えておかしくなりました。ブータンにWWFの事務所があって驚きましたね。世界にとってもブータンの自然は重要な存在だし、ブータンはGNHにもあるよう環境保全の力をいれています。自然、といっても首都ですが、緑に囲まれ、家の素材など、自然に近いもの中で暮らすことが、こんなに気持ちいいとは思ってもみませんでした。魂のレベルでこの心地よさを感じているので、ブータンが好きなんでしょうね。前にWWFのジャパンとは仕事で関わっていたので、ブータンの家の中にも服や文具、まな板など、グッズが結構ありますね。パンダのマークが可愛いので、販売キャンペーンをやりながら、私が一番買っていたかも。
さて、ブータンは金融クライシスで、バブルが崩壊しました。野党党首が言っていましたが、ブータン人の多くがインドの大学に通っているそうで、ルピーの制限で学費を払うことも困難になり、様々な影響が出てくるだろうとのこと。今日か明日には、首相からのコメントがあるようです。信用を失ったブータンのお金は、インドルピーと等価で無くなり、ルピーを手に入れるのは日に限定された状況です。商店などは安いインドの物を仕入れて売っているので、輸入制限からインドは外れていても、ルピーがなければモノを仕入れることはできないので、状況が長く続くようなら、倒産もあるかもしれません。様々な商品が値上がりし、多くに影響がありそうですね。隣のビルと隙間もないほどに乱立しているビル群は、欲望の塊なのかも。普段は反省をしない人間性のブータンですが、今回ばかりは政府・国民も立ち返り、原因を考えた方が良いと思います。これ以上、美しい国ブータンを汚す前に、生活が苦しくなる人はお気の毒ですが、バブルがはじけ、急速な近代化に歯止めが掛かってよかったのかもしれません。
ブータンには100名くらいの日本人が住んでいるそうです。多くがJICA関連ですね。中には私もですが結婚してブータンに住んでいる人が何人かいます。このブログを見てお問い合わせいただいてますが、マスコミへの露出は興味ありませんので、お断り致します。ドキュメンタリー制作に関わっていたこともあり、制作の大変さを存じていますが、意義を鑑むと別の形が私には適していると思うので、申し訳ありません。
(写真:4年間お世話になったブータンのキッチン家具。義妹の家に行きます)