2011年7月29日

放射能の健康への影響について

衆議院厚生労働委員会 「放射線の健康への影響について」
児玉龍彦教授発言 7月27日
http://www.youtube.com/watch?v=O9sTLQSZfwo

私は東京大学アイソトープ総合センター長の児玉です。
3月15日に、大変に驚愕しました。私ども東京大学には27箇所の
アイソトープセンターがあり、放射線の防護とその除染などの責任
を負っております。

私自身は内科の医者でして、東大病院の放射線の除染などに数十
年関わっております。まず3月15日の午前9時ごろ、東海村で5マイ
クロシーベルトという線量を経験(観測)しまして、それを文科省
に第10条通報ということで直ちに通報いたしました。

その後東京で0.5マイクロシーベルトを超える線量を検出しま
した。これは一過性に下がりまして、そのあと3月21日に東京で雨
が降り0.2マイクロシーベルト等の線量が降下し、これが今日ま
での高い線量の原因になっていると思っております。このときに
枝野官房長官が、さしあたり健康にあまり問題がないということを
おっしゃいましたが、私はじっさいにこのときにこれは大変なこと
になると思いました。なぜなら現行の放射線の障害防止法というの
は、高い線量の放射線が少しあることを前提にしています。このと
きは総量はあまり問題ではなくて、個々の濃度が問題になります。

ところが今回の福島原発の事故というのは、100キロ圏で5マイクロ
シーベルト、200キロ圏で0.5マイクロシーベルト、さらにそれを越
えて、足柄から静岡のお茶にまで汚染が及んでいることは、今日、
すべてのみなさんがご存じの通りであります。

われわれが放射線障害をみるときには総量を見ます。それでは政府
と東京電力はいったい今回の福島原発事故の総量がどれぐらいであ
るかはっきりとした報告はまったくしていません。

そこで私どもはアイソトープセンターの知識をもとに計算してみま
すと、まず熱量からの計算では広島原爆の29.6個分に相当するもの
が露出しております。ウラン換算では20個分のものが露出していま
す。

さらにおそるべきことにはこれまでの知見で、原爆による放射能の
残存量と、原発から放出されたものの残存量は1年経って、原爆が
1000分の1程度に低下するのに対して、原発からの放射線汚染物は
10分の1程度にしかならない。

つまり今回の福島原発の問題はチェルノブイリ事故と同様、原爆数
十個分に相当する量と、原爆汚染よりもずっと大量の残存物を放出
したということが、まず考える前提になります。

そうしますと、われわれはシステム生物学というシステム論的にも
のをみるやり方でやっているのですが、総量が少ない場合には、あ
る人にかかる濃度だけを見ればいいです。しかしながら総量が非常
に膨大にありますと、これは粒子の問題です。

粒子の拡散というのは、非線形という科学になりまして、われわれ
の流体力学の計算ではもっとも難しいことになりますが、核燃料と
いうものは、砂粒のようなものが、合成樹脂のようなものの中に埋
め込まれております。

これがメルトダウンして放出されるとなると、細かい粒子がたくさ
ん放出されるようになります。そうしたものが出てまいりますと、
どういうことがおこるかというのが今回の稲藁の問題です。例えば
岩手の藤原町では、稲藁5万7千ベクレルプロキログラム、宮城県の
大崎1万7千ベクレルプロキログラム、南相馬市10万6千プロキログラ
ム、白河市9万7千プロキログラム、岩手6万4千プロキログラムと
いうことで、この数値はけして同心円上にはいかない。どこでどう
落ちているかということは、その時の天候、また例えばその物質が
水を吸い上げたかどうか、にかかります。

今回の場合も、私は南相馬に毎週行っています。東大のアイソトー
プセンターは現在までに7回の除染を行っていますが、南相馬に最初
にいったときには1台のNAIカウンターしかありません。農林省が
通達を出した3月19日には、食料も水もガソリンもつきようとして、
南相馬市長が痛切な訴えをWEBに流したのは広く知られていると
ころであります。

そのような中で通達1枚を出しても誰も見ることができないし、誰
も知ることができません。稲藁がそのような危険な状態にあるとい
うことは、まったく農家は認識されていない。農家は資料を外国か
ら買って、何十万という負担を負って、さらに牛にやる水は実際に
自分たちが飲む地下水にその日から代えています。

そうするとわれわれが何をやらなければいけないのかというと、ま
ず汚染地で徹底的な測定ができるように保障しなければいけません。
われわれが5月下旬に行ったときに1台しか南相馬になかったという
けれど、実際には米軍から20台の個人線量計が来ていました。しか
しその英文の解説書を市役所の教育委員会で分からなくて、われわ
れが行って、教えてあげて実際に使いだしてはじめて20個での測定
ができるようになった。それが現地の状況です。

それから先程から食品検査と言われていますが、ゲルマニウムカウ
ンターというのではなしに、今日ではもっとイメージングベースの
測定器が、はるかにたくさん半導体で開発されています。なぜ政府
はそれを全面的に応用してやろうとして、全国に作るためにお金を
使わないのか。3カ月経ってそのようなことが全く行われていないこ
とに私は満身の怒りを表明します。

第二番目です。私の専門は、小渕総理のときから内閣の抗体薬品の
責任者でして今日では最先端研究支援ということで、30億円をかけ
て、抗体医薬品にアイソトープをつけて癌の治療をやる、すなわち
人間の身体の中にアイソトープを打ち込むのが私の仕事ですから、
内部被曝問題に関して、一番必死に研究しております。

そこで内部被曝がどのように起きるかということを説明させていた
だきます。内部被曝の一番大きな問題は癌です。癌がなぜ起きるか
というと、DNAの切断を行います。ただしご存知のように、
DNAというのは二重らせんですから、二重のときは非常に安定的
です。

それが細胞分裂するときは、二重らせんが1本になって2倍になり、
4本になります。この過程のところがもの凄く危険です。そのために
妊婦の胎児、それから幼い子ども、成長期の増殖の盛んな細胞に対
しては、放射線障害は非常な危険性を持ちます。

さらに大人においても、増殖の盛んな細胞、例えば放射性物質を与
えると、髪の毛に影響したり、貧血になったり、それから腸管上皮
に影響しますが、これらはいずれも増殖の盛んな細胞でして、そう
いうところが放射線障害のイロハになります。

それで私たちが内部に与えた場合のことで知っている事例を挙げま
す。これは実際には一つの遺伝子の変異では癌はおこりません。
最初の放射線のヒットが起こったあとにもう一個の別の要因で、癌
への変異が起こるということ、これはドライバーミューテーション
とか、パッセンジャーミューテーションとか、細かいことになりま
すが、それは参考の文献をつけてありますので、後で、チェルノ
ブイリの場合や、セシウムの場合を挙げていますので、それを見て
いただきますが、まず一番有名なのはα線です。

プルトニウムを飲んでも大丈夫という東大教授がいると聞いて、
私はびっくりしましたが、α線は最も危険な物質であります。それ
はトロトラスト肝障害というところで、私ども肝臓医は、すごくよ
く知っております。

要するに内部被曝というのは、さきほどから何ミリシーベルトと
いう形で言われていますが、そういうのは全く意味がありません。
I131(ヨウ素131)は甲状腺に集まります。トロトラストは
肝臓に集まります。セシウムは尿管上皮、膀胱に集まります。
これらの体内の集積点をみなければ全身をいくらホールボディ
スキャンしても、まったく意味がありません。

トロトラストの場合、これは造影剤でして、1890年からドイツで用
いられ、1930年頃から日本でも用いられましたが、その後、20から
30年経つと肝臓がんが25%から30%起こるということが分かってま
いりました。最初のが出て来るまで20年というのが何故かと言うと、
トロトラストはα線核種なのですが、α線は近隣の細胞を障害しま
す。そのときに一番やられるのは、P53という遺伝子です。

われわれは今、ゲノム科学ということで人の遺伝子の配列を知って
いますが、一人の人間と別の人間はだいたい三百万箇所違います。
ですから人間を同じとして扱うような処理は今日ではまったく意味
がありません。いわゆるパーソナライズドメディスンと言われるよ
うなやり方で、放射線の内部障害を見るときにも、どの遺伝子がや
られて、どのような変化が起こっているかということをみることが、
原則的な考え方として大事です。

トロトラストの場合は、第一の段階でP53の遺伝子がやられて、それ
に続く第二、第三の変異が起こるのが20年から30年かかり、そこで
肝臓癌や白血病が起こってくることが証明されています。

次にヨウ素131、ご存知のように甲状腺に集まりますが、成長期の
集積がもっとも特徴的であり、小児に起こります。しかしながら1991
年に最初、ウクライナの学者が甲状腺癌が多発しているというときに、
日本やアメリカの学者は、ネイチャーに、これは因果関係が分から
ないということを投稿しております。なぜかというと1986年以前の
データがないから統計学的に有意だということが言えないということ
です。

しかし統計学的に有意だということが分かったのは、20年後です。
20年後に何が分かったかというと、86年から起こったピークが消えた
ために、過去のデータがなくても因果関係があるということがエビ
デンスになった。ですから疫学的な証明というのは非常に難しくて、
全部の症例が終わるまでだいたい証明できないです。

ですから今、われわれに求められている子どもを守るという観点から
はまったく違った方法が求められます。そこで今、行われているのは
国立のバイオアッセ―研究センターという化学物質の効果を見る、
福島昭治先生という方がチェルノブイリの尿路系に集まるものを検討
されていまして、福島先生たちが、ウクライナの医師と相談して500
例以上のある症例を集めています。

前立腺肥大のときに手術をしますと膀胱もとれてきます。これを見まし
て検索したところ、高濃度の汚染地区、尿中に6ベクレルパーリットル
と微量ですが、その地域ではP53の変異が非常に増えていて、しかも
増殖性の前癌状態、われわれからみますと、P38というMAPキナーゼと、
NFカッパーBというシグナルが活性化されているのですが、それに
よる増殖性の膀胱炎というのが必発性でありまして、かなりの率で
上皮内の癌ができているということが、報告されています。

それでこの量に愕然といたしましたのは、福島の母親の母乳から2から
13ベクレル、7名から検出されているというがすでに報告されていること
であります。われわれアイソトープ総合センターでは、現在まで毎週
だいたい4人ぐらいの所員を派遣しまして、南相馬市の除染に協力して
おります。

南相馬でも起こっていることはまったくそうでして、20キロ、30キロ
という分け方はぜんぜん意味が無くて、幼稚園ごとに測っていかないと
全然ダメです。それで現在、20キロから30キロ圏にバスをたてて、
1700人の子どもが行っていますが、実際には南相馬で中心地区は海側で、
学校の7割は比較的線量は低いです。

ところが30キロ以遠の飯館村に近い方の学校にスクールバスで毎日100
万円かけて、子どもが強制的に移動させられています。このような事態
は一刻も早くやめさせてください。今、一番その障害になっているのは、
強制避難でないと補償しないということ。参議院のこの前の委員会で
当時の東電の清水社長と海江田経済産業大臣がそのような答弁を行って
いますが、これは分けて下さい。補償問題と線引の問題と、子どもの
問題は、ただちに分けて下さい。子どもを守るために全力を尽くすこと
をぜひお願いします。

それからもう一つは現地でやっていて思いますが、緊急避難的除染と
恒久的除染をはっきりわけていただきたい。緊急避難的除染をわれわれ
もかなりやっております。例えば図表にでています滑り台の下、ここは
小さい子どもが手をつくところですが、滑り台から雨水が落ちて来ると
毎回ここに濃縮します。右側と左側にずれがあって、片側に集まって
いますと、平均線量1マイクロのところですと、10マイクロの線量が
出てきます。こういうところの除染は緊急にどんどんやらなくては
なりません。

またコケが生えているような雨どいの下、これも実際に子どもが手を
ついたりしているところなのですが、そういうところは、高圧洗浄機を
持って行ってコケをはらうと2マイクロシーベルトが0.5マイクロ
シーベルトにまでなります。

だけれども、0.5マイクロシーベルト以下にするのは非常に難しいです。
それは建物すべて、樹木すべて、地域すべてが汚染されていますと、
一か所だけを洗っても全体を下げることは非常に難しいです。

ですから除染を本当にやるときに、一体どれぐらいの問題がかかり、
どれぐらいのコストがかかるかといことをイタイイタイ病の一例であげ
ますと、カドミウム汚染地域、だいたい3000ヘクタールなのですが、
そのうち1500ヘクタールまで現在、除染の国費が8000億円投入されて
います。もしこの1000倍ということになれば一体どれだけの国費が必要
になるのか。

ですから私は4つのことを緊急に提案したいと思います。
第一に国策として、食品、土壌、水を、測定していく。日本がもってい
る最新鋭のイメージングなどを用いた機器を使って、半導体のイメージ
ング化は簡単です。イメージング化して流れ作業にしていくという意味
での最新鋭の機器を投入して、抜本的に改善してください。これは今の
日本の科学技術でまったく可能です。

二番目。緊急に子どもの被曝を減少させるために、新しい法律を制定
してください。私の現在やっていることはすべて法律違反です。現在
の障害防止法では、核施設で扱える放射線量、核種などは決められて
います。東大の27のいろいろなセンターを動員して南相馬の支援を行っ
ていますが、多くの施設はセシウム使用権限など得ていません。

車で運搬するのも違反です。しかしお母さんや先生たちに高線量のも
のを渡してくるわけにはいきませんから、今の東大の除染では、すべ
てのものをドラム缶に詰めて東京にもって帰ってきています。受け入
れも法律違反、すべて法律違反です。このような状態を放置している
のは国会の責任であります。

全国の国立大学のアイソトープセンターには、ゲルマニウムをはじめ
最新鋭の機種を持っているところはたくさんあります。そういうとこ
ろが手足を縛られたままで、どうやって、国民の総力をあげて子ども
を守れるでしょうか。これは国会の完全なる怠慢であります。

第三番目、国策として土壌汚染を除染する技術に、民間の力を結集して
下さい。これは例えば東レとかクリタだとかさまざまな化学メーカー。
千代田テクノルとかアトックスというような放射線除去メーカー、竹中
工務店などは、放射線の除染に対してさまざまなノウハウを持っていま
す。こういうものを結集して、ただちに現地に除染研究センターを作っ
て、実際に何十兆円という国費をかかるのを、今のままだと利権がらみ
の公共事業になりかねないいう危惧を私は強くもっています。
国の財政事情を考えたら、そんな余裕は一瞬もありません。どうやって
本当に除染をやるか。七万人の人が自宅を離れて彷徨っているときに
国会は一体何をやっているのですか。

以上です。

(なお文中の障害防止法とは、「放射線同位元素等による放射線障害の
防止に関する法律」のことと思われます。)

2011年7月27日

日々



ベランダにクワガタがやって来た。私が驚いて写真を撮っていたら妹が「クワガタはトンサにはたくさんいて、牛のフンを食べているから汚い」と。タシさんは、思いっきり手を噛まれたことがあるそうです。彼もクワガタは汚いと言っていました。妹に日本ではクワガタは高いよ、と教えたら「食べるの?」と。これまた面白い反応ですね。ブータンでは日本では高い物が安く売っていたりします。もうそろそろシーズンの松茸は10本で300円くらいです。日本では万単位の冬虫夏草が500円くらいです。ブータン産のレモングラスのオイルが250円くらいで、それを日本では2000円くらいで売っていますね。ちなみに大麻は自生してあちこちに生えていますよ。ブータンには貴重な薬草がいっぱいあるそうなので乱獲せずに大切にする必要がありますね。


今日は大家さんから「リンポチェが来るよ」と電話をむらい、すぐに近くのラカンに行くと、50人くらいが待機していて、そこにリンポチェ登場。テンちゃんはぐっすり昼寝をしていたので、私だけ行き、カタの用意がなかったので、頭をさげブレッシングしていただきました。「前にも見たことがあるね。」と、いつも声をかけてくれます。気持ちがホッとします。若くてスラーっとして素敵なリンポチェですよ。


テンちゃんを面倒みて貰っている間に、ミシンでエプロンを3枚作りました。最初は糸の具合が分からなかったけど、使っているうちに慣れてきて、3枚目は上手に出来ました。ブータンの布は柄が素敵なので、縫いがヘタでもごまかしがききます。テンちゃんが寝ている部屋にミシンがあるので、昼寝の間は出来ないので、友達が送ってくれた「JIN~仁」を涙し見ています。内野聖陽の坂本龍馬はホントいいですね。

2011年7月25日

またまた反省


テンちゃんの発疹はほとんど消え、ご機嫌もよくなり、夜中も泣かなくなりました。テンちゃんの後に、私が熱を出し2日ほど寝込みましたが、今はスッキリしています。タシさんと妹リンジンは、誰かしら家に居られるように仕事時間を調整してくれました。家族が代わる代わるテンちゃんの面倒を見てくれ、ホント助かりました。熱でもうろうとして、何も食べられない状況でしたが、タシさんが今まで見たことがないようなご飯を作ってくれました。けど、一口しか食べられず、ただフラフラしたので、テンちゃん用に持って来ていたポカリスエットと、コーンフレイクだけで、とにかく寝まくりました。母乳を終わったので薬も飲め、それがよく効いたようで、2日でスーッと良くなりました。母乳をあげている時は、良いおっぱいを作るために野菜をたくさん摂るよう心掛け、身体に良くない物は一切、口にしないようにしていましたが、卒乳したら「何でもできる~!!」という気分で、ジャンクフードに炭酸飲料、カフェインなど、とにかく身体に悪いことを一気にしたら、こうなりました。不摂生はいけませんね。ここティンプは高度が高いので、身体は常に緊張状態だそうで、不摂生すると身体にすぐ影響が出ると、先日、教わったばかりでした。反省!身体に悪いのは、ほどほどにしておきます。


前にブータンに居た方から譲っていただいたミシンで、友達へのプレゼントを作り始めました。大家さんはハンドクラフトのプロなので、分からない場所は教えてくれます。ブータンは伝統的な布が豊富なので、手芸をするにはとても楽しいところです。ミシンを使ったテーラーの仕事がここでは多く、主に男性の仕事のようです。

2011年7月20日

成長

「注意深い」という言葉をきっと知らないであろうブータン人は、間違い電話を頻繁にします。日本は知らな​い番号だと取りませんが、知らなくても取るし、折り返し掛けたりしています。間違え電話と分かっ​ても相手はすぐに「すみません」と切らず、話したりしています。タシさんに「誰と話していたの」と聞いたら、「間違え電話」と。間違え電話の人と話し込んだりしていますよ。先日、私の携帯に夜遅く掛​かって来た間違え電話に「違う」と応えたら、「ガモ(どなた)?」と名前を何度も聞かれ​「JICAに勤めているのか?」と。色んな意味で用心深くないブータンですね。でも、疑うということをしないブータンもイイナって思います。


さて、テンちゃんは生まれて初めてのお熱で38.4度まで上がりました。いつも朝一番にタシさんの所に行って、テレビを着けてとせがみに行くのに、その日は来ないで座ってボーっとしていて、タシさんはすぐに「アレ」と思って様子をみていたら、身体が熱くてわかりました。いつも抱っこして寝なくてもぐずらないのに、その日はベッドに横にすると「ウェーン」と。なので、交代でおんぶして、ほぼ1日寝ていました。熱は解熱剤で下げると危険なのは知っていたので、お腹は温め、頭を冷やしていたら、1日で熱は下がりました。翌日の夜、ほぼ初めての「夜泣き」。私もタシさんも泣きやまないテンちゃんは初めてだったので、少しオロオロしましたが、大好きなテレビを夜中でしたが見せておんぶしていたら寝ていました。熱が下がった後、プツプツと肌に出始め、赤ちゃんのほとんどが経験する「突発性発疹」だと分かり、ひと安心。3日から一週間くらいは発疹があるそうですが、自然とひくので薬は要らないそうです。現代の医学でも分からないこともまだまだあるんですね。1週間くらいは不機嫌だそうで、放っておいても寝たテンちゃんも、今はおんぶして寝させてます。熱も発疹も軽くてよかったです。母乳の卒業に続き、大人への一歩ですね。


先日、映画を観に行きましたが、その音楽にハマっています。CDもすぐに売り切れる勢いで、きっと今年の音楽賞を取るでしょう。ブータンの音楽も映画もかなり面白いですよ。アイドルもいるし、ラップを歌う人もいます。そういえば、ブータンにもオカマちゃんがいました。


(写真:私の長靴を探してきて、必死に履こうとしてました)

2011年7月16日

忘れた?



家の中でテンちゃんからかくれんぼして、3日後の朝、さりげなく洗濯を干していたら、近くにテンちゃんが寄ってきて、お尻をポンポンと叩き、行ってしまいました。アレレ、もっと泣いたり、おっぱいせがんだりするんじゃないのぉ~。拍子抜けした感じで、すんなりと卒乳ができました。1週間経ちますが、今のところ泣いたりしていません。大家さんのところのテンジンは、もう泣いて泣いて「地獄のようだった」と。卒業には“かくれんぼ作戦”はいいかもしれませんね。でも、協力者が3人も居たので出来たことかも。これでテンちゃんを少し預け、お出かけも出来るかもしれません。妊娠してから、ずっと断っていたコーヒーを22ヶ月ぶりに飲み、涙がでそうな美味しさ。飲まないに越したこと薬だって飲めますよ。母乳って血液らしいので、やはりそれを作るのは大変なことなんだと思います。あれだけしんどかったのに、今は仕事がはかどり、脳もクリアです。いつも疲れて頭はもやもやしてましたが、別人のようなので、自分でもビックリしていますよ。

2011年7月10日

かくれんぼ作戦

テンちゃんは体調がとても良く、面倒をみてくれる体勢が整っているので、昨日からテンちゃんのおっぱいをやめています。夜は熟睡できるように公園に行って思いっきり遊ばせました。この公園はサブジ・マーケットの近くにあり、ティンプ川沿いにあります。公園入口の写真を撮ろうと車が通り過ぎるのを待っていたら、「BHUTAN」ナンバーが登場。第4代国王が乗っていました。別の場所にいたタシさんも見かけたそうで、車はパロへ向かったそうです。王族の車はすぐに分かり、頻繁に見かけます。ミーハーな私は見つけるのが楽しいです。公園にはブランコとすべり台、シーソーとブリッジがありました。人気はやはりブランコですね。私もブランコ大好きなので、一目散にテンちゃんを置いてブランコに乗っていたら、妹が「大人用ではなく子どものため」と、諭されてしまいましたよ。親子連れがたくさん来ていました。テンちゃんはすべり台を一生懸命に逆送していました。遊具らしい遊具は、すべり台とブランコだけで、あとは手作り感たっぷりで、ブリッジはブータンの本当の橋のように、板が抜けていてスリル満点でした。木製の小さなシーソーはブータンの風景にピッタリです。おっぱい卒業のプロジェクトは現在進行中です。初日の昨日はテンちゃんも泣くこともなく、ママを忘れているようです。タシさんと妹と弟が見てくれるので、私は別の部屋に籠っていて、なるべく顔を見せないようにしています。キッチンに行く時はサングラスをして髪は三つ編にして変装しています。そんな私を家族は大笑いして、日中は大丈夫だから出ておいで、と言っていますが、泣かれるよりは忘れて楽しんでもらった方がいいので、今はひっそりとひきこもりをしていますよ。






2011年7月5日

家族



ブータン宗教界の最高権威であるジェ・ケンポ(大僧正)によるプジャが3日間あり、ラストの日曜は大勢が訪れました。テンちゃんも従兄弟と受けにいきました。1万人くらいは来ていたと思います。亡くなった人と生きている家族の名前を別々の紙に書き、プジャへの寄付(祈祷料)します。たぶん、3日間で相当な額が集まったでしょうね。祈祷はブレッシングといって1年間は守られるそうです。読経は長くて途中でテンちゃんや従兄弟達は帰り、私は大家さん一家と一緒にブレッシングを受けました。大家さんのところは、さすがに用意がよく、座るのに痛くない厚めのシートや、フルーツとスナックなどあって、とても助かりました。ブータンでは家族関係がすごく濃く感じます。こういった宗教的なイベントなどに家族が揃って行くし、週末は家族みんなでピクニックなどしています。ほぼ、毎日のように実家に電話もしていますね。うちは今、タシさんの妹と弟が今は一緒に住んでいるので家族5人でワイワイと結構楽しいです。テンちゃんの面倒をよく見てくれるので、最近はテンちゃんを任せて、長くはありませんが出かけられるようになりました。ソファを買おうと思っていて、あちこちタシさんと見に行っています。弟は短い夏休みがもうすぐ終わり、少し遠いですが、うちから学校に通うそうです。今週末はタシさんにテンちゃんを預け、妹と弟と映画に行く予定です。私は末っ子だったので、下の兄妹ができて嬉しいです。
(写真:ジェ・ケンポと国王の車は、ナンバーが「BHUTAN」。テンちゃんは従兄弟と楽しそうでした)









2011年7月2日

すんなりとは進みません


私達がマックと呼んでいるモモ屋さんがあります。オーダーすると、とても早く出てきます。いつもお客さんがいっぱいで、回転率もよさそうです。8人座れますが、混雑時は詰めあって10人か12人くらい入っています。昨日は目の前にブータン銀行の元マネージャー居て、タシさんの知り合いだったので、話に花が咲きました。日本の地震体験や放射能についてなど話していたら、他のお客さんも色々質問が出て、皆でワイワイやっていました。他のお客さんが「どこかで見たような・・・」と。アーチェリーのチャンピオンなので知っていたみたいで握手してました。タシさんが日本に居た時、よくドトールで勉強していて、みんなが静かでシーンとしていたのが可笑しく、「ブータンなら知らない人でも楽しく話し、お店はウルサイ」と言っていたのを思い出しました。ブータンは人口が少ないから、仲がいいんでしょうかねぇ。みんな素直で思ったことをバンバン言うので、スマートな国民ではないですね。大家さんと市場に行った時や、タシさんと街を歩く時など、知り合いが多くて、なかなか前には進みません。花が咲きまくり、待つことが多いです。今日はミスブータンに街で会いました。タシさんの知り合いだったので少しお話しました。近々タイに行くそうで、ミスの仕事で海外も多いそうです。顔がちっちゃくて、ほっぺが松嶋奈々子みたいで、身長が高くスラーっとしていて、観月ありさに似た可愛い系の美人さんでした。私たちが日本に居る間にアパートをミスブータンのパパに貸していて、ビザ申請とか色んなことでヘルプをしてくれ、今も何かと助けてくれます。
(写真:上・リンポチェのお嬢さんのバースデーパーティ、下・暴走族)