2012年4月27日

違い

僧侶の義弟が遊びに来ました。従兄弟の僧侶も一緒です。平日の昼間っから、何でこんなに集まれるの?ってくらいのブータンですが、ワイワイと(義弟2人、義妹と彼、僧侶2人)。普段はインド・デリーにある、白い方のカルマパ(2人いて白と黒と呼ばれています)の僧院にいます。これからマレーシア・香港などに行くことになるので、パスポートの更新に帰ってきたそうでうす。ベランダがエンジ色に染まりました。僧侶は下着以外、エンジ色の物を着けると決まっています。前に来た尼僧の義妹はエンジ色のジャケットを買うため、20か所くらいの店を周りました。仏教国で僧侶だらけの国なので、全てエンジ店を大きくやれば、間違えなく流行りそうです。町に小さな店がありますが、尼僧用が足りませんね。大家さんの息子さんで、イケメンのティンレイはインドの大学を卒業し、昨年、こっちに戻って来ましたが、仕事はなく、よくよく考え、僧侶になる道を選びました。韓国俳優のようなお顔で、身長も高く、もてるだろうなぁ…と思っていたので、本当にビックリです。きっと良い僧侶になってくれるでしょう。義弟の僧侶は、金周りの良い僧院だけあって、携帯やデジカメ、さまざまなハイテクを持っていて、なんだかなぁ…と思ってましたが、義妹がトイレの芳香剤を使おうとした時「それは虫を殺さないか?」と真剣に言っている姿に、少し安堵。ちゃんと僧侶なんですね。ここブータンに住み、日本と全く違うのが、“生き物を殺す”ことについてです。旦那のタシが日本に居る時、しらす干しを見て「いのちがいっぱい」と言ったのに最初は笑えましたが、命の捉え方が全く違うのです。うちでは、よくNHKワールドを見ていますが、漁師さんが魚を捕るシーンなど見ると、家族や大家さん一家は「ザイー」と声をあげます。命を奪っていることに対し、いけない、そんなに命を取ったら、来世は・・・という意味の感嘆です。ブータン人も肉は食べますが、断然に量は少なく、鶏肉の場合は大きくない箇所は骨までバリバリ食べます。日本とブータンでは生命として捉える幅が大きく違うので、尊ぶモノに断然に差がつきますね。「生きとし生けるものすべてが幸せに生きる」。素晴らしい価値観だと思います。同じ仏教思想でも、死生観はブータンと日本は違います。ブータン人は死後の生まれ変わりを信じ、次の世も“人間”に生まれたいと考えているので、蚊やハエなど、命あるもの全てを殺さないように生きます。殺生をすれば人間界には行けないと考えています。死んだ後、49日で転生するので、死の受け止め方があっさりしています。日本は輪廻の思想はあって、なんとなく信じるような信じないようなで明確でないので、49日を過ぎても供養をするんですね。普段は必死な感じを見せないブータン人も“殺さない”ことに対しては驚くほど真剣です。大家さん一家と共同制作のハエを外にリリースするための“フライ・キャッチャー”を今年の夏に販売しようと思っていますよ。(まだ材料がそろってないしぃ…)
(写真:このかわい子ちゃんは誰でしょう?ヒントは来日しましたよ~。全然変わってないですね。)

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