先日も書きましたがウォンディポダン・ゾンの全焼について。電気的なショートが原因とは分かっていても、どうしてこういうことが起きたのか、意味を考えました。報道では、大切なものは救出できたように言っていて事実とは違うので、国は損失を隠したいんだなぁと感じます。トンドルも焼けてしまったとか。国の甘さ、防火対策なしについては大いに反省し、再建よりも先に、他のゾンに目を向けた方が良い気もしますが、先を考えることが苦手なブータン人、そういった考えは全然出ていないようですね。これだけの火災で死者ゼロで、煙を吸った2人も酷くはないそうなので、本当に守られているように感じます。でも、なぜ火事なのか。信じるか信じないかはそれぞれですが、私はこのゾンを作ったシャブドゥンやチベット仏教の警告のような気がしてなりません。火災の3日前にブータンのジグミ・ティンレイ首相は、中国の温家宝と仲良く握手。そして、中国側によれば、ティンレイ首相は「両国の政府首脳が初めて会談したのは重要な歴史的意義がある」と応じ、「ブータンは『一つの中国』政策を支持する」ことを確認した、との報道。「一つの中国」とはチベット政策のことを指していますね。
中国はチベット仏教が大嫌い。中国側が首相会談を持ちだしたとしたら、それは下心いっぱいで、かなりやばいです。国連にブータンは加盟していたとはいえ、国境はなんだか曖昧で、年々、ブータン国土は中国の言い分によって小さくなってますね。このブログを見る人は、ほどんどの人が知っていると思いますが、チベットはブータン人口70万人の倍くらい、すでに虐殺されていて、チベットの僧院95%は破壊され、仏像や経典など貴重なものは略奪され、たくさんの経典は焼かれ、ダライ・ラマの写真を持っていただけで逮捕・監獄・拷問の国です。ブータンという国を作ったチベット僧のシャブドゥンは、ゾンを各地に作りました。今回燃え尽きたゾンも、その一つ。私はウォンディポダンの火災と、ティンレイ首相の動きが、まったく別の物だと思えません。頭の良い首相なので、絶対に分かっているはずですし、首相アドバイザーで、首相の親戚にもなったペマ・ギャルポ氏は、だれよりもチベットの苦しみを分かっているはず(元ダライラマ・法王事務所のトップ)。普通の国なら国交を持ち、仲良くした方がいいですが、中国は人権を無視して、その中国と仲良くしようとする行為は、人権無視を認めたことになります。同じ顔をしている、ブータンの多くのルーツでもあるチベット人が、気軽に殺され、今なお、反人道的な扱いを受けているのに、仲良くしては絶対にいけません。仲良くし、今、国交を持つことになれば、人権無視を認めたこととイコールです。中国は歴史もあって、文化も素晴らしく、中国残留孤児を殺さずに育ててくれて素晴らしい国。でも、トップたちは半端でなく酷い人達です。国民を騙し続け、抵抗すれば、すぐ刑務所で、場合によっては「ないもの」にされちゃいます。火災に一番早くに到着した第4代国王は気づいたでしょうね。
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