2008年9月25日

かけがえのないもの

まだ一週間経っていませんが、家族の一員である寅次郎(犬)が天に昇りました。気づいたら・・・という感じでとても安らかな最後でした。16歳4ヶ月の大往生でした。その日は大好きな姉に櫛ですいてもらい、お耳も掃除して、大好きなチーズを一枚食べ、お水も飲んでいました。お年寄りなので、目はほとんど見えていないと思っていましたが、その日に限って私のことを目で追っていたので、あら、見えてるのかしら、と感じたくらいでした。年を取ると犬も鼻が薄くなったりしますが、寅の顔は小さい時と全く変わらず、死に顔さえ、超カワイイままでした。
ブータン人との結婚で、私がブータンに移り住むことを、うちのママさんは100%は納得していません。何かがあった時に飛んでこれる距離ではない、という理由からです。私はいつか誰でも死ぬんだし、その時は仕方ないじゃん・・・と思っていました。死は冷静に受け入れることはできますが、今回、寅ちゃんから、とても多くを学びました。「死んじゃったことは仕方がないけど、やっぱりしんどい」と会社の同僚に話したところ、「神様じゃなくって人間なんですから、当たり前ですよ」と。そっか、この心境って普通なんだと、少し心が落ち着きました。自分の子供が遠くへ行ってしまう、ママさんの気持ちが少しわかりました。一緒に住む家族が居なくなる経験は今回初めてでした。せつなさは徐々に癒えていくのかもしれませんが、悲しみは一生なくなりませんね。生まれたからには、必ず全て死の時がきます。なので家族がいる以上、こういう思いはこれからもっとすることになります。それは私だけのことではなく、この世の全ての人が同じ思いをするだろうし、既にしているかもしれないと思うと、通りゆく一人一人が、かけがえのない存在なんだと素直に思いました。寅と相思相愛であった姉は、その後、クマの縫いぐるみを何体もつくり続けています。パパさん曰く「寅は我が家をたくさん楽しませてくれたし、あいつも幸せだっただろう」と。近所の方々もお別れに来てくれましたが「寅ちゃんは人間として生まれ変わるわね」と、みんなが言うので今世でも来世でもいいので、また会いたいです。寅ちゃん、また会おうね。ありがと。

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