2008年10月5日

驚きの王様

なに一番驚いたかと言いますとイイ男ぶりにですが、現国王のお父様である第4代国王には、びっくり仰天することばかりです。ブータンは今年から議会制民主主義(二院制)となり、この3月に選挙が行われました。これによりブータンには、たくさんの物語が生まれたようです。立憲君主制となり、憲法により君主の権力は制限され、国民が主権を持ちます。何を持って普通というかはわかりませんが、普通、民主主義になることを国民は喜ぶものでしょうが、ブータンの場合は必ずしもそうではなかったそうです。そもそも民主化は国が抱える問題や不満に対し民衆が爆発し、立ち上がり、戦いなどを経て掴んでいくものですが、ブータンの場合、君主が“自ら”主権を国民に譲っちゃったのです。こんなこと聞いたことありません。“知足”で生活するブータン国民は民主化される前も幸せを感じていたそうです。なので、今も幸せなのになぜ選挙をしなければいけないのかと、親政の継続を望む人も多かったようです。選挙を追ったドキュメンタリー番組では「2人とも国のために良いことをしようとしているのに、どうして1人を選ばなくていけないのか・・・」と真剣に悩む国民を追っていました。国王は民主化を国民に説得するため、「今は良い国王がいたとしても、あす悪い国王が現れたら一体どうするのか・・・」と。ありえないですよ、こんなせりふ。苦肉の言葉にも感じます。そこまで心配しちゃってるんですか、王様。とても深い智慧を持つ国王は経済の発展が必ずしも人を幸せにするとは限らないと若いうちに悟り、GNPで示されるような金銭的・物質的な豊かさを目指すのではなく、精神的な豊かさ“幸福”を目指すべきだと、1976年にGNPならぬGNH(Gross National Happiness/国民全体の幸福度)という概念を提唱し、尽力しました。第4代国王は30年も前に、そんなことに気づいちゃった人で、しかもイケメンなのです。どうしましょう、キャ~!

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