
女性の衣装“キラ”は一枚の大きな織り布で出来ています。まず薄めのブラウスを着て、その上にキラをぐるっと体に巻き、両肩部分を専用の留め金で留めます。腰に伊達締めに似たベルトを巻き、場合によってはその上にジャケットを羽織ります。これが昔ながらの着方です。キラはロングのジャンパースカートのような感じです。最近は体全体を巻くのではなく、腰から裾までに簡略化したロングスカートタイプの“ハーフキラ”を着ている方も多いようです。ハーフだと、だいぶ軽くて動きやすいです。私も奮発して写真のハーフキラを買いました。キラは手織とインド製の機械織りがあり、材質、細工の細かさによって値段はピンキリです。染織はブータンの伝承文化で母から子へと受け継がれていきます。天然の草木で染められた糸を紡ぎ、何日も掛け機織し、一枚のキラが出来上がります。日本の着物と同じように着方やTPOなどのルールがたくさんあるようですが、その辺はまだわかりません。化学染料や機械折りのキラはお手頃で日常には良いとおもいますが、植物染めの質の良いキラは、まるで美術作品を見ているようです。ブータンの女性はみんなこのキラを着てアイデンティティを持ち続けているんですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿