2009年11月2日

一如

昨日はダライ・ラマ法王来日公演「地球の未来への対話」に参加しました。正直、企画会社の采配が良くなかったので残念でした。法王様は何ごともよく検証しなさい、と仰いますが、色々と検証できそうな講演会でしたね。登壇者の田坂広志さんが仰った“病は福音なり”という言葉が印象に残りました。この“病”とは病気のことだけではありません。通訳者がご年配者(写真の後ろの方)のせいか、うまく通訳しきれなかったりしましたが、法王様は何度もその通訳者の頬をなでようとされ、じっと見つめられて応援されていました。初日の法話は素晴らしかったです。自分と他人とを区別して考えることは当たり前ですが、これを考察することが様々な問題を解決する糸口なのだと教えて頂きました。もちろん自分と他人は違いますが、これをどう認識するかで、問題の見え方が変わってくるのだと分かりました。仏教では自分というものは、空なんですね。自分で自分を作ろうと思って出来た訳ではありませんよね。人間は小さな細胞の塊だけれど、この細胞はずっと同じ状態ではなく、常に生まれ、死んでいっています。何か問題がある場合、存在は空が真理であり、相手の心と私に区別がないと理解することがポイントなんですね。問題の根本には、自分が自分であるとい自我(エゴ)があるんだなぁと分かりました。そこで嫌いだとか、あの人は悪いとか、意見の違いにより、対立などが生まれてくるんですね。私と他の境はない、相手の心にも私を置いて一如で見れば、その問題や対立などの要因が、スーッとなくなるんですね。法王様のお話は人生観が変わるような衝撃でした。争いや意見の相違は、私自身が作りだしているもので、自分と他人の差を無くしていくことこそ、慈悲と利他を実行できる秘訣なんだと、素晴らしいことを教えていただきました。(写真撮影は、ねこみみさん)法王様はお会いすると案外と身長が高いのですが、昨日も、登壇者の方々にすごく深い御礼をされ、普段、多くの人に会う時も、目線をかなり低くされて腰を落とされるので、背中がきっと曲がってしまっているんだろうなぁと感じます。法王様に会う時は、誰もが腰を低くします。そしてそれ以上に低くなる法王のお姿に涙がでてきます。

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